
前回は「私たちはどうやっておしゃべりできるようになったのか」を
見てきました。
※詳しくは「ことばが遅れているかな?と思うパパママへ」をご覧ください。

「りんご食べたい」というまでに複雑な過程があると知りました。

そうですね!
今日は言葉を伸ばすために
ご家庭でどうやって過ごしたらいいか?についてお話します。
脳は3段重ねのおもちのよう~脳幹・大脳辺縁系・大脳皮質~

真ん中が心の脳、
一番下が体の脳
3段重ねのお餅をイメージしてください。これが皆さんの脳です。
1番下が体温や呼吸を管理する生きていくのにぜったい必要な体の脳。脳幹と呼ばれています。
真ん中が今の状況が「快か不快か」を判断する心の脳。大脳辺縁系と呼ばれています。
一番上が言葉をつかさどることばの脳。大脳皮質と呼ばれています。

ことばを育てるには
この3段重ねのお餅のような脳を育てる必要があるのです。
最も大切なのは体の脳。一番下がしっかりしてなかったらお餅全体がぐらぐらしてしまいますよね。
ことばのビルを建てよう

体の脳を育てよう。

お子さんが小さければ小さいほど体の脳を育てることが大切です。
体の脳を育てるのに大切なことは次の通り。
①規則正しい生活(早寝早起きあさごはん) ②体の発達に沿った十分な運動 ことばのビル(1、2F部分)
①規則正しい生活について
◆規則正しい生活をすること(早寝早起き、朝ごはん)
◆よく噛んでごはんを食べる;よく噛むと舌を上下前後左右に動かすことになるし、お口の周りの筋肉を動かすことにもなります。

早く寝るようにしたママたちからは「落ち着きが出てきた」「言葉が増えた」という声が寄せられています。

生活リズムってすぐには変えられないな。

少しずつでいいですよ。
お子さんによっては寝つきの悪いタイプの子もいますし。
ママたちのストレスにならない生活が一番大切です。

「よく噛む」ことも大切なんですね。

とっても硬い物を与えることではないですよ。
おやつを「かっ〇えびせん」や「ハッ〇ーターン」などサクサクしてて「噛むのが楽しい!」という経験を積むことが大切です。
②体の発達に沿った十分な運動について


この表にあるように次の5つの刺激が脳の栄養になるといわれています。
◆回転刺激のある遊び(だっこしてあげてぐるんと回る)
◆加速する刺激のある遊び(すべり台、坂すべり)
◆触覚を刺激する遊び(くすぐり、布でこする、抱きしめる)
◆上下の揺れのある遊び(トランポリン)
◆前後左右に揺れのある遊び(ブランコ、シーツブランコ)

お子さんが「やって」とくりかえし求める運動をしてあげてください。
心の脳を育てよう
「心の脳」は目の前の刺激が「快か不快か?」を判断する役割を担っているのでしたね。
そして「快」と判断されればその刺激を何回も求めます。
まさに「好きこそものの上手なれ」。
言葉の獲得も「快」の状態でできるといいですね!
心の脳を育てるのに必要なことは次の2つ。
①情緒の発達(安定した親子関係) ②楽しく遊ぶ(共感関係) (ことばのビル3F部分)
①安定した親子関係をつくるには?
◆見守る
遊んでいた子どもが振り返ったら「おもしろい?」などと声をかけてあげましょう。「自分を見てくれている!」と安心します。
◆微笑む
お子さんが笑顔を向けてきたらオーバーなくらいの笑顔で返してあげましょう。喜びを分かち合い、共感性を養います。
◆泣いたらあやす 何度でも!
用事を後回しにしてでもあやしてあげましょう。少しでも構ってあげればお子さんもホッとします。
◆できるまで待つ
お子さんの「自分でやる!」はできるだけ待ってあげましょう。自立性が身に付きます。
◆一緒に遊ぶ
お子さんと目の高さを合わせて同じ動作をして遊んであげると喜びます。お友達と遊ぶ基礎になります。

ハードル高いな。時間がないとき「自分でやる!」と言われるとキツイ。

時間に余裕を持って、ですね。月並みですが。

泣くたびに抱っこ、ではキリがないです。。

ちょっとだっこすればおさまると思います。
ママも家事を減らして、お子さんとゆっくりしてくださいね。
②楽しく遊ぶ(共感関係)
遊ぶときはお子さん主導で遊びます。お子さんの様子を見て、何に興味をもっているのかよ~く観察してみてください。お子さんの発達に沿った遊びをすると親子で遊びを楽しめます。
【遊びの発達段階】
●人と関わる遊び:大型遊具、手遊び、まねっこ遊び、追いかけっこ
●物を介した遊び:積み木、ボール、車のやりとり、操作のあるおもちゃ、絵本
●イメージを膨らませる遊び:ままごとなどごっこ遊び
●ルールのある遊び:鬼ごっこ、かくれんぼ、椅子取りゲーム、フルーツバスケット、じゃんけん等

教えよう、とするのではなく、一緒に楽しめるとよいですね。
ことばの脳を育てよう
いよいよことばの脳にアプローチします。相手に自分の考えを伝えたり、相手の言っていることを理解する時に活躍する部分です。
ことばの脳を育てるのに必要なことは次のとおりです。
①ことばでわかりあう。 ②ことばを教える。
①ことばでわかりあうとは?
お子さんの気持ちにあったことばがけをしましょう。
〇お子さんが、積み木を重ねるのに成功したら…?「やったね~!」ハイタッチ!!
〇失敗したら…? あ~ざんね~ん、次!
〇好物を食べてたら…?おいし~!

気持ちが動いている時、ことばをおぼえやすいです。

こどもの時、痛いの痛いのとんでいけ~って言われたら
それだけで治ったような気になってたなぁ。

将来自分の気持ちをコントロールするときにも役に立ちますね。
②ことばを教えるとは
◆いつ教えればいい?
お世話しながらのことばがけ
〇お風呂で・・・・お目めつぶって
〇ごはんのとき・・・・おくちあーん、りんごおいしいね、いっぱいたべたね
〇お着替えのとき・・・ばんざーい、あんよあげて、、、など。
本人がみているものを言ってあげましょう・・・パパ帰ってきたね。
◆どうやっておしえる?
基本はゆっくり、はっきり。
みじかく。お子さんが単語レベルであれば2語文程度で。
オノマトペ(ガタガタ、ジャー、ブーンなど)

毎日の生活の中で意識的に声をかける習慣をつけましょう。
ことばはまねっこしておぼえていくもの。いっぱいお手本をみせましょう。
全然まねっこしないお子さんの場合は、パパママがお子さんの発声を真似するとよいです。子どもはまねっこされるのが大好き。自分の真似をしてくれた大人の真似をするようになりますよ!
★次回は言葉を伸ばす遊びをいろいろご紹介します!
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